職員のページ~談話室
ホームいろえんぴつ
「卒煙・その後」
ホームいろえんぴつの井上です。
2020年春、卒煙しました。もう丸5年になりましたが、この5年間、1本も吸っていません。何歳から喫煙していたかはちょっとここには書けませんが、空腹は我慢できてもタバコをは無理、完全にニコチン依存症でした。1日30本くらいは吸っていました。それでも年齢も年齢だし健康を考え、そろそろ止めなきゃな、と。
きっかけはやはり新型コロナウイルスの流行でした。当初、喫煙はリスクがあるとも言われていましたし、この機会を逃したらもう止めることは出来ないと思い、漸く本気で決心しました。ある勤務日の昼休み、これが人生最後の1本と決め、深々と深呼吸するようにフィルターぎりぎりまでニコチンを吸いこんだ後、長年愛飲したKENT MILD、残り10数本残っていましたが、箱ごとゴミック(ゴミ貯留機)に投げ捨てたのが最初の緊急事態宣言の頃でした。
当初は明らかに禁断症状のようなものが出ましたし、特に辛かったのはyoutubeで80年代のドラマを観た時で、昔はドラマや映画の喫煙シーンがやたら多いのですが、あるドラマで食堂の主人がお客がはけて、美味そうに一服する場面を観た瞬間、喫煙欲が爆発しそうになりドラマの登場人物なのに激しく嫉妬したものです。口寂しさを紛らすため禁煙パイポや甘い物でごまかしごまかし、そうして徐々にタバコのことを忘れていき、5年が経ちました。
結論から言えば、卒煙した喪失感は未だに埋めることができていません。人生で大切な何かを失くしてしまったかのような。この喪失感はこの先も消えないような気がします。タバコに代わる物はないんですよ。街を歩いている時、どこからか風に乗ってタバコの匂いがする時がある、そうすると鼻クンクンして喫煙気分を味わったりするんですよ、実に未練がましい。肉体的には卒煙していてもメンタルは卒煙できていないということでしょう。依存症って怖い。といって、今更喫煙者に戻ろうとも思わないです。卒煙も強い決意が必要でしたが、復煙もなかなかどうして、そう簡単にはいかないんですよ。それに人生に一つくらい強い意志をもってやり通すことがあってもいいんじゃないかとも思うわけです。
この前の健診で血糖値が上がっていました。甘い物の摂り過ぎです。健康を考えて卒煙したのに、何をやっているんだか。結局、ニコチンも甘い物も本質は同じなんでしょう、依存性という点で。卒甘は無理なので、節甘くらいで頑張ってみましょう。